1. アイリス収納・インテリアドットコム
  2. 家づくりこぼれ話

家づくりこぼれ話

第7話:食い道楽、着道楽、住み道楽?

page.2/2


下島 まあ、こんな現在の日本でも鋭く観察してみると結構面白いこともありますけどね。
私はかれこれ40年ほどキッチンのデザインを手がけてきていますけれど、その中で一つの定理を発見しました。かなり皮肉にも聞こえるでしょうから、大方のひんしゅくを買うかもしれませんが、「料理好きとキッチンの豪華さは反比例する」というものです。豪華さとあえて言う意味は、“豪華さ”と“格好よさ”とは違うと思っているからです。
さくら ん?ん?ん?それは問題発言ですね!?
下島 まあ聞いて下さい。このことは、「あまりお料理が好きでない方ほど立派なキッチンをほしがるものだ」という嫌味な言葉として受け取ることもできるのですが、私は実際、キッチン設計の打ち合わせのやり取りの中から、むしろ料理好きにとっても料理嫌いの人にとってもどちらにとっても良い言葉だと本気で思っているのです。なぜならこのことは世界的な規模で観察してみても言えることで、そこから見えてくるものは、それぞれの人生の楽しみ方の違いからくることだからです。
さくら 人生の楽しみ方?大きなテーマになってきましたね。
下島 これも実際経験したことですけれど、あるドイツの有名なキッチンメーカーのデザイナーでもあり営業でもある方とお話をする機会がありました。ドイツでは流し台のカウンターの長さは7メートルは必要で、それより少なくできないという主張で頑張るのです。      
さくら な、7メートルですかぁ?長っ!
下島 そうでしょう?私が手掛けた家では、それこそよほど豪華なお金持ちででもない限り7メートルもあるようなカウンターのキッチンを設計したことがないし、7メートルもの流し台など必要がないと思っていましたから、ありとあらゆる理屈を考え出して反論しました。例えば、現代では調理済み、加工済みの食品が多いから必要がないとか、料理のうまい中国人の家にはカウンターがないとか。しかし、そのドイツ人は7メートル必要論に最後までこだわってゆずらなかったのです。
さくら 大変でしたね。
下島 私の英語の表現力に限界があったからかもしれませんが、そのとき分かったことはドイツ人の頑固さだけではなくて、ドイツ人があまり料理をしないからだということです。つまりわたしの発見した定理の正しさが証明されたような気がしたのです。この定理はこう言い換えてもいいかもしれません。「料理をするかしないかは、キッチンカウンターの長さに反比例する」。
さくら 私はアパートなので短いですが、今キッチンを作ってもらったら6メートルくらいは必要かもしれませんね…。
下島 ははは、そうですか?じゃあその時は私が設計をしてあげますよ。もちろん、きちんと適正のサイズでね。
そんな訳で私は料理好きの味方をして、中国のキッチンのようにカウンターのない台所をぜひ設計してみたいものだと思うようになったのです。しかしこのことは立派な流し台を持っていながら余り熱心に料理をしないドイツ人をけなしたり笑ったりしている訳では決してないのです。彼らは料理もそそくさとして夜な夜なオペラを楽しんでいるのですから。それはそれでとても素敵な生活じゃないですか。そして一方少しづつ立派なキッチンを使うようになった、これからの中国人の料理の腕は悪くなるだろうなと想像しているだけなのです。

キッチン キッチン
キッチン キッチン




≪前のページへ▲TOPへ

全品送料無料中!!

アイリスプラザからのお知らせ

新生活応援特集2012

ワンクリックアンケート

バレンタインは手作り派?

  • 手作りする予定
  • お店で購入
  • 特にあげる予定はない


日本クロストラスト
当サイトは 日本クロストラスト(株) の認証を受けています。